朝はもうすぐ

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  「なんだよ、せっかくオレの実力を披露してやろうと思ったのにいー」 「昭介もう飲むなよ」  大きくため息をついた友人がオレの手からスマホを取り上げてベッドに投げた。  くらくらするのは精神的なものなのかな?  言われたように酔っているのかな?  味見くらいにしか酒を飲んだことがないから分からない。 「酔ってないし」 「酔ってる、いつもの昭介はそんなゆーわくとか言わない、昭介にはそんなの早い」 「言うよ、いくつだと思ってんだよ、」  なんだよ早いって。勝手にオレの成長を止めないでいただきたい。  眉を顰め嫌そうな顔をした友人がオレを見る。 「そんな昭介変だ」 「変じゃないよお、じゃあ和也が相手してよ」 「は?」 「オレの事子供扱いしてるだろー、新谷くんゆーわくするれんしゅー」  握られたままの腕を引いて友人を座らせた。  怪訝な顔の友人ににっこり笑い太ももの上に足を広げて乗った。 「なっ、やめろって!お、おいぃ!」  顔を近づけると友人は目を剥いて驚いている。そんな様子に楽しくなる。
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