朝はもうすぐ

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   鼻が当たる距離まで近づいた。  キスしたい。  何度も夢見た、こんな場面。  でもさっきのビデオは確かキスしなかった。  確か耳に口を寄せてなにごとか囁いていた。  その通りにすると友人の耳がビクンと震えた。  それから耳辺りを舐めていたような……  耳朶をおずおず舐めてみると友人が「うあっ」と小さく呻いた。  その次はボタンを外していた。  顔を離しパジャマのボタンを外していく。  このパジャマはもともと友人もので、オレがよく使うからいつのまにかオレのモノになっていた。  この先どうしてたっけ?  ふと顔を上がると目を剥いたままの友人がさっきと同じく固まっている。  目があうと、急に羞恥心が蘇ってきた。  それは猛烈な大波となってオレを襲う。  ああ、どうしよう、  なんでこんなことし始めたんだっけ?  そう思ったけれどここで止めるのもおかしい気がする。  とにかくきりがいいとこまでやるしかない。
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