朝はもうすぐ

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 硝子戸を開ける前、大きく深呼吸した。  よし、と心の中で気合いの雄たけびをあげ硝子戸を引いた。  友人はさっきの場所に座っていたけれどよく見ると顔は真っ赤で口元を両手で押さえていた。 「さーもう寝ようかなぁ、おやすみー」  無理に明るく言ったけど返事がないから虚しく響く。オレは急いでベッドの中に潜り込んだ。  はあ、本当にオレは何をやってるんだろうか。  ぐるぐると後悔の念が頭をまわる。  さっき見た友人の赤い顔も一緒にぐるぐる回っていた。  なんで顔を赤くしてたのかな、  もしかして、ほんのちょっと、ほんのすこしだけでも誘惑されたのかな。  もう期待したくないのに、消えそうに小さな灯りでも大きな希望に見えてくる。  手を伸ばしてもつかめない、幻の光だとしても。  淡い期待と未来の落胆を抱えた胸が痛くて布団にくるまった。  酔ったせいにして、もう忘れよう。  忘れていかなきゃ生きてはいけない。  ぎりぎりと布団に顔をこすりつける。  早く眠りに落ちてしまいたい、そう思いオレはぎゅっと目を閉じた。
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