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声をかけると新谷はオレに一歩近付く。
「あの、ちょっと話があって。いいかなあ?」
「うんいいよ、どこか入る?」
「あ、ううん、もう遅いし、藤谷君三津谷駅でしょう? 僕もあの駅なんだ、だから歩きながらでも、いいかな?」
「うん、オレは構わないよ」
横に並ぶと新谷を見上げなきゃならないことに今更気が付いた。180はあるのかなと思う。
「あのね、その、あの、……藤谷君は里見君と付き合ってるのかな?」
随分言いにくそうに新谷はそう切り出した。
「は? オレが? 違うよ。なんで?」
「あ、うん……」
街灯の灯りが掠める場所で見た新谷の顔は赤かった。
その横顔を見てオレはピンときてしまった。
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