朝はもうすぐ

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 家主が帰還するまで、チャンネルをコロコロ変えて遊んでいたが結局バラエティに落ち着いてボーっと見ていた。  暇だな、と思いながら冷蔵庫を開いて買っていた小さなケーキを皿に出した。  小さなサンタがクリームの上を走っている。彼が運んでくれる筈のオレへのプレゼントは、いまのこの時間なのだろうか? 「クリスマスケーキだ」 「へへへ、かわいいでしょう?」 「まぁ」 「なんだよ、クリスマスなのに~」  無表情の友人はガシガシと頭を拭きながらケーキの前に座った。 「小さいサンタまで乗ってる」 「うん、コンビニもクリスマス仕様なんだよ~。食べよう」 「そうだね」  やっと表情の柔らいだ友人にほっと胸を撫で下ろした。
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