朝はもうすぐ

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「……昭介、ホモ、いやゲイ、だったってことか? いつから?」 「知るかよ」  眉根を寄せた友人の視線から逃げるように身体ごと友人と反対を向く。   「で、相手は? 俺の知ってるやつ?」 「絶対教えない」  腕を掴まれ引き寄せられる。なんてしつこさだっ、友人のこんな一面をオレは知らなかった。 「いや、でも気になるだろ。誰? 昭介に合う相手か俺が判断してやる」 「はあ? うざっ」 「誰? 誰だよ?」  友人がオレの顔を覗き込む。   本当の事を言ったら、この顔どうなるんだろう?  どんなふうに歪むのかな?  ちょっとした好奇心とそれよりもう少し分量の多い破壊願望がむらむらと湧きだす。  こんな事、聞かれる日が来るとは思わなかった。  一瞬、何もかも壊して無くしてしまっていいと思ってしまった。
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