朝はもうすぐ

　あんな無理矢理言わされた感のある告白でも告白は告白だ。
　考えると言ったんだから、友人が考えた結果はいつか出る。
　暮れも押し迫った３０日、姉と母が朝から大掃除をはじめオレも手伝いをすることになった。
　外は寒いが快晴で、掃除日和だなと思う。
　そういや友人宅は大掃除したんだろうか、オレはあの告白の日以来行っていない。

　今夜が今年最後のバイトになるけれど、寄るつもりはない。
　逃げたいから、という事ではなくて友人が今日から帰省するからだ。昼前にはこの県を出ると話していた。
　布団を干して自分の部屋に掃除機をかけていたらスマホが机で震えた。
　見ると友人からで、今から会えないか、と書いてあった。否応なく緊張が高まる。
　家族に出かけると告げて、待ち合わせの駅へと急ぐ。
　とうとう『考えた結果』が出たのだろうか。
　駅地下の喫茶店は混雑していたが、すぐに見つけられた。友人は日本人成人男性の平均身長よりも二十センチ程高いからだ。