朝はもうすぐ

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 ああ、ねーー    「あー、なんならオレ帰りましょっかあ」 「い、いや、いい、いい、いやー、見えた? 違うの、これ村田が置いてって、んでこれ明日返さなきゃいけないの今知って、で、しょうが来る前にちょっと、どんなもんか見るだけ見てみるかと」  真っ赤になって両手をぶんぶん振る友人をしり目に帽子とコートを脱いで掛ける。  村田はオレと同じ学部の奴で選択もほぼ一緒。ちなみにこの友人も一緒。よってオレ達はよくつるんでいる。 「なんでオレが来る前? いいじゃん、一緒に見ようよ」 「あ……うん、そ、そう?」 「いないほーがいいなら帰るけど」 「いやいい、いていいいていい」  友人が胸に抱いているソレには半裸(おっぱいが見えている)で挑発的眼差しの綺麗なお姉さんに少し被せて『深夜のオフィスで誘惑の女上司』『夜のオシゴト教えてあ・げ・る』とある。  そういう年齢なのだ、  興味津々なのだ、だってオレ達大学生だし。  友人は何故か小さくなって一DKのせっまい部屋のベッドの横で正座している。  部屋の一角にオレの着替えを入れてる紙袋があって、その中からジャージを取り出し着替えた。
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