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ゆっくり閉まる玄関の扉を見ながら外に出ていく姉を羨ましいとちょっとだけ思う。
今までに姉の彼氏を四人ほど見てきた。
同級生が羨ましいと漏らす美貌の姉は、三人の元彼と別れる時、めそめそ泣いていた。女でも、綺麗でも、ダメなときはダメなのだ。
羨んでも仕方がない。
オレは自分の部屋からダウンを持ち出し外に出た。
懐はほかほかだ、洋服でも見ようかと電車に乗ってつい、いつも降りる駅で降りてしまった。
本当ならあと三駅先まで行くはずだったのに。
どうしようかなと思いながらなんとなく足が向いた方向に進んだ。
普段より人の少ない街を歩く。
自分の足が友人のぼろアパートに向いてるのは気が付かないことにしようと思う。
いつものコンビニも外から見る限り客がいない。
静かで冷たい空気の先にぼろアパートが見えてきた。
建物を側道から眺める。
道路側がベランダになっていて一階の端にあるのが友人の部屋だ。
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