朝はもうすぐ

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「昭介、今日どうする? もう帰るの?」  持っていたトートバックに本を直しながら返答に困り「えーと」を繰り返した。  居酒屋に行くと言って誘わなかったら感じ悪いかな、家に帰るって言おうか、と考える。 「ううん、今から本屋に行って、それから新谷くんと飲みに行くよ」  やっぱり嘘をついて後でばれた方が感じ悪いと判断した。  今日はさすがに誘えない。このまま、あ、そう、と流してほしいと思う。 「新谷と? 飲み?」  友人はピクリと眉を動かした。 「あ、うん、」 「え、なんで? なんで飲み? 今まで村田に誘われても行かなかったのに」 「あー、うん、やっぱりさ、お酒飲めないとね、お付き合いっていうか」  眉根を寄せてじっと友人が見つめる。  不機嫌そうな言い方に身が縮まる。   「なんで急に……、どうして新谷?」 「どうしてって、たまたまっていうか」  一歩近づく友人に身体が勝手に一歩後退した。  強い口調が少し怖い。  ちゃんと説明した方がよろしそうだけど失恋話を聞いてもらうとは言いにくい。
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