朝はもうすぐ

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 上半身を起こしてそれを受け取り一気に半分飲んだ。  喉を通る冷たい液体を渇いた身体が必死に取り込んでいる。  夢中で飲んでいると口からちょっと零れてしまった。  首にかけたタオルで慌てて拭いたのだけどパジャマの襟元が少し濡れた。 「着替えるか?」  首を振る。冷たいけれど着替える事が億劫だ。 「きついか?」  首を振る。きつくなくもないけれど、取り立てて主張する程でも無くなった。 「酒臭いくらい……」  お茶を飲んだからか少し声が出るようになった。まだ枯れているけれど。 「飲んでんだ、当然だろ。……ああ、そうだ、牛乳飲むか? 確か匂い消すんじゃなかったっけ?」  そんな話、聞いたことない。でもオレが知らないだけかもしれない。もしかしてさっきこれを買いに出掛けたのかな。じゃあ飲むしかない。牛乳はあんまり好きではないんだけれど。  ゆっくり頷くと友人は台所から牛乳が半分注がれたコップを持ってきた。 「ほら」
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