朝はもうすぐ

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 差し出されたコップを受け取り友人を見ると彼はうんと肯いた。  GOの合図にオレは息を止めてぐっと煽った。  久し振りに飲んだら思ったよりも不味くはなかった。  飲み終えたコップをオレの手から取り上げ友人は台所に消えた。  不味くはなかったけれど口直しにお茶を飲んでまたベッドに転がった。  天井に、いつも思うんだけどシミがあって、それがハート型をしている。  ハートが浮いている、なんとなくおかしい。  友人はでかくてごついからハートなんて似合わない。  ハートが遮られて友人の顔が浮く。 「なににやにやしてるの」 「……ううん、何でもない」  友人の手が伸びてオレの頬に触れる。
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