朝はもうすぐ

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 女はシャツを開き胸元を見せつけ、男の右手を取り自分のそこへ導く。 「触って……」  触っても何も自分の乳房へ男の手を導いて揉ませているのだけど。  女は男の耳元で「ああん」と身を捩り感じながら赤く細い舌で男の首筋をべろりと舐め上げた。  男は股に乗る女を机に押し倒し……あとはまあ、SEXが始まる。  テレビから「ああん、あ、あ」とか「はあん、あ、そこお…」とか甘ったるく、そして過剰な喘ぎが聞こえるがDSが戦闘になったので残念だがヨガル彼女を見てあげることは出来ない。  敵を倒してテレビを見ると真剣に見入っている友人の横顔が一緒に見えた。  いつも人の良さそうな笑顔を浮かべている男が滅多に見せない真顔になっている。  そういう顔して女を抱くのかな? そう思うと背筋がぞくっとして、少しやるせない。  オレは興味がないし、友人は真剣なのでこの間に風呂に入ることにする。  タオルは浴室にあるから下着とパジャマを持って食い入るように画面を見つめる友人には声を掛けず、和室から出て硝子戸を閉める。  
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