4人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
「評価してくれるのは嬉しいんですが…その…」
元の世界に帰っていきなり「魔法が使えない魔法使いになりました」なんて言えない
いったらそく千冬さんが剣神モードになって破山剣・逆鱗断を御披露目するだろう
「ふむ…まぁだめ元でのスカウトだし、仕方ないか…だがこれは受け取って貰う」
そう言ってポケットからこう…にゅ、って感じにトランクケースを取り出し、開く
その中央に鎮座していたのは、一つのペンダント
白鐵の翼を模したプラチナ
ロマン魂のオーラを象ったのだろう、炎の形の黄金をあしらう
そしてその頂きに戴くダイヤモンドは、不屈の証
素人目から見てもこれは、とても上等な品だ
「…!」
今度は周りがな騒ぎ出した
後に聞いたが、紅蓮無さんがこういった品(しかも手作り!)を贈るのは、どんな形であれ心底認めた相手だけだという
「そんな高そうなもの…いいんですか?」
「うん?材料は全部採取した物だからねぇ、元手は大してかかってないよ」
つまりあれだ、『材料から拘ってます』と言う奴だ
なんとまぁどんだけ行動力あるんだこの方は
「…」
そしていい加減ゴルゴを止めろ弾
しかし其処までされては受け取らない方が逆に失礼な気がしてきた
おまけにこの空気…受け取らない訳には行かない様だ
「受け取っときなさい」
神楽さん?
「これは言うなら、アナタがこの世界に来た証、元の世界に帰って実感が無くなっても…アナタ此処に来たの
…その証明よ」
「…その心は?」
「貰えるもんは貰っ…って何言わせるの!?」
「あは、あはは…」
これには乾いた笑いしかでない…凄くいい事言ってたのに
「まぁ…そう言う訳なんで、頂戴します」
「うんうん、素直に受け取ればいいんだ」
最初のコメントを投稿しよう!