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カインには、彼とは顔以外対照的な容姿を持つ双子の兄がいた。
そのパッと見、将来イケメンになる可愛い男の子にしか見えない弟と見紛う兄――レインは、同じカルデラの後方支援学科に属しており、今日も遠距離武器の訓練を終え、寮のロビーで習慣づいた授業後の紅茶を飲んでいた。
レインは右手に持ったマグカップに入った紅茶を味わって飲む。
「美味しい。」
口の中に広がる紅茶の味を楽しみながら、目線を前に向ける。
するとティーポットを持った男子がいてレインのカップに紅茶を足すのであった。
「おかわりでございます。」
レインの机の横に立っているティーポット(男子学生)は、黒いスーツを好んで着用することで有名で、今日もスーツに懐中時計という執事風の格好でレインに付き従っていた。
ティーポットを持っていたのは、彼のスタイルの一つらしい。
ここカルデラでは、学生の服装を指定しておらず、完全自由。
なので、彼の執事姿を咎める者はいなかった。
問題は、なぜか彼が非常に高い確率でレインに執事として世話をするということだった。
さしてレインと仲がいいわけでもない彼が、こうも毎回毎回、気づいたら近くに立っていることにレインは違和感を禁じ得なかった。
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