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「・・・・・。」
なんであれ、毎日付き従われる身にもなってほしい。
確かに世話をしてもらうのは悪くはないのだが、レインは自分の世話は自分でする主義なので、余計なお世話なのである。
――・・・・イライラするな。
レインは感情を出さない眼で、ピシッと着込まれたスーツ姿の男子学生を見ていた。
そこにいて当たり前というような存在感に、主人への忠誠を誓うような顔。
何か見ていてイライラしていたら、無意識のうちにカップを傾けていた。
中の紅茶が、テーブルの上を跳ねてレインの袖についた。
レインは眉をしかめ、カップをテーブルに置き袖についた紅茶のあとを見る。
寮で、私服ではなく授業用に羽織っていた黒いガウンでよかった。
紅茶の染みが目立たない。
「レイン様、ガウンが汚れてしまったので洗わせていただきます。」
そう言って、レインの了解を待たずに、いつのまに来たのか、寮生の一人(これまたメイドみたいな姿な女子学生)がレインのガウンを脱がしていた。
レインはウンザリな顔をした。
「いい、自分で洗う。」
「ダメです。洗わせていただきます!」
女子学生はレインの言葉を意に介さず、手馴れた早さでガウンを脱がし、立ち去った。
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