41人が本棚に入れています
本棚に追加
「体が痛ぇぇぇぇぇぇッ!!」
――腰がっ、背中がっ!
あっちこっち打ち身状態で身がもたないんじゃないのか……なんて考えていた。
『頑張れよ、あともう少しだ。』
そう言うハンターの声は棒読みだったのに、レインは腹立だしく感じていた。
『・・・頑張れ兄さん!』
弟カインの声援に涙が溢れ、打ち身に染みる。
『着陸する。お前を先に投下する。』
ハンターの宣言後、突如、レインの体がフワッとなり、上下の感覚がなくなった。
「は?………はぁぁぁぁぁぁっ!?」
いつの間にか戦闘機の腹が空いていて、スカイダイビングみたいになっていた。
レインの体はクルクルと縦に回転。
体操選手が見せる演技を思わせる躍動感。
「おっと。」
落ちてくるレインを誰かがキャッチした。
「親方……空から男の子が降ってきた。」
「なに言ってんのよ恭也。親方なんていないでしょ?」
「真季奈、あれだよあれ……ノリってやつだ。」
そう言いながら恭也という名のハンターはレインを下ろした。
「あれって……あ、恭也。言うの忘れてたけど秋彦が呼んでたよ。」
「オオッ!頼んだものが完成したのか!!」
恭也が待ちきれないのか、レインを気にも止めず走りだした。
最初のコメントを投稿しよう!