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世界にある各支部から集められたというだけあって、彼らの服装や立ち振る舞には、一貫性がまるでなかった。 だって、頭にターバンを巻いて目から下を全て隠すローブを身につけているのは砂漠ある支部、なんの動物かわからない毛皮のフードを被っているのは氷河にある支部の出身者だろう。 ツッコミたいのだが、レインは我慢して横を通り過ぎた。 着物姿で腰に一本の刀を下げているのは、日本……ここの支部にいるハンターで間違いない。 優雅な曲線を描く日本刀は、世界一の切れ味を持つ武器といわれている。 横にいる男は、頬に描かれたハートが印象的で、侍のハンターと仲良さげな感じを見るとここのハンターなのだろう。 レイン達と同じ、アメリカ支部と思われる、いわゆる田舎者っぽい人はいなかった。 英雄とまで吟われたドラゴンハンターは、過酷な環境から生まれるらしく、他の支部よりわりと平和なアメリカ支部の学園から選ばれた参加者は二人しかいなかったようだ。 船内の学生やハンター達は、レインとカインを物珍しげな目で見た。 たぶん二人の服がべっとりとついていたせいか、注目されてしまっていた。 カインは四方八方から注がれる視線が気にならないようだが、レインは居心地が悪かった。
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