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「これから各教室でミーティングが行われることになる。」
ハンターは足を止めずに進んでいく。
「まぁ、ミーティングとは名ばかりの、自己紹介を兼ねた顔合わせだ。気楽にしろ。」
ハンターは説明するのも面倒だと思わせる顔でそう言った。
「・・・わかった。」
顔は無表情のカインだがこの状況を楽しんでいるのがわかるが、レインにはそれを楽しめる余裕はなかった。
正直、合意の上とはいえ、いきなり拉致られた状況を「気楽にしろ」と、ハンターの面倒だと思わせる顔で言われても、反応に困るとツッコミたいところだ。
外から見た印象以上に広く感じる車内を歩くこと数分、教室が固まっているエリアに出た。
エレベーターに長く乗って上ったので、どちらかといえば高層の方に位置すると思われる。
「兄さん、またあとで……」
前衛科【01】の教室前でカインと別れて、レインはハンターの引率で空き教室に移動した。
黒板や机など、一通りの教具が揃っていたが、誰もいなかった。
前衛科の教室周辺には、それなりに人がいて、活気があった。
ここは、それが全くない。
――なぜこんな教室に………?
レインのことは特別に乗せてくれると言っていたが、学生としてではないのか?
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