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「ち、あいつ……ここにいるよう言ったのに……」
ハンターはイライラしているのを見て、とばっちりでも来るのではないかとレインは身構えた。
「少し、ここで待ってろ。」
ハンターは速足で去っていった。
仕方なく、レインは無人の教室で一人、椅子に座ってハンターが戻って来るのを待った。
十分が経過し、十五分が経過した。
初めて来た慣れない場所で過ごす一人の時間は、やけに長く感じられた。
待つのが辛くなったレインは、迷いそうで不安だが、じっとしているよりはマシだと思い、教室の外へ出た。
廊下には誰もいなかった。
レインが車内をフラフラと歩き回っていると、突然、豪速球で飛んできたボールに直撃され、弾き飛ばされた。
――ボールッ!?
「がふぅぅうううッ!」
あまりの勢いに、床と平行に飛ばされたレインは、壁にぶつかって、ズルズルと崩れ落ちた。
廊下で力尽きたレインは、ドタバタと足音が近づいてくるのを感じた。
足音の正体は、裾が長い学ランを来た少女だった。
「うぉっ……死んだか、コイツ………?」
少女はレインの傍らでしゃがみこみ、どこから持ち出してきたのか、木の小枝でレインの頭を小突いた。
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