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「い、生きてる……あと、頭を小突くな……」 さっきの、戦闘機の中で味わった痛みの数に比べれば、耐えられる。 それはともかくとして、 スカートの丈が少し短いせいで、床に倒れているレインの視点からだと下着が見えそうになっており、目のやり場に困った。 普通、女性はしゃがむ時、股は意識して閉じるものだと思う。 だが、この少女ときたら、お構いなしだ。 裾が長い学ランを着てヤンキー座り、豪快というのか、なんていうか。 「・・・・・ん?」 レインは立ち上がろうとしたが、ボールのダメージが足にきたのか、ペタン、と尻餅をついてしまった。 「おい、大丈夫か?」 少女がアルトよりの声でレインに尋ねた。 「すまない、ちょっとな……」 「しょうがねぇな。」 レインは少女に支えてもらい、どうにか立ち上がった。 「悪いな。」 レインは少女に頭を下げた。 そうしたら、開かれた学ランの中にさらしできつく押さえつけられても大きさがわかる胸が目に入ってきた。 視線をどこにやればいいのか、判断に困ったレインは、彼女と目を合わないよう気を遣いつつ、無難に顔を見ることにした。 勝ち気な印象で野生を秘めていそうな瞳、長い睫毛、通った鼻筋、いい感じに日焼けした肌。
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