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野性的な美女であるのだが、個性が強すぎることを窺知れた。 普段のレインなら、絶対に話をかけない、関わりたくないタイプだ。 「なんだ?そんなにジロジロ人の顔を見て。」 少女は不思議そうな顔をしてレインを見返した。 「・・・もしかして、ウチと前にどこかで会ってたりする?」 左手を腰に当て右手を額に当てる。 ――学ランじゃなかったら絵になるのにな。 「あ、いえ……一度も会ったことがないな。」 「そ、そうか。」 期待していたのか少女は、僅かながら落胆した。 「で、さっきのボールは?」 レインはボールが直撃した脇腹をさすりながら少女に尋ねた。 「あれか……逃げたな。」 「ああ、それはよかっ……逃げた?」 一体、なに言ってんだこいつとレインは少女の顔を見た。 少女は考えるような表情をしていた。 「とりあえず、お前が無事みたいでよかった。意外に丈夫だな。」 「・・・・・。」 意外とは失礼だ。 「・・・あの、学生の方ですよね?それとも、先生かな?」 「ウチが先公に見えるか?」 見えないのだがありえなくはない。 カルデラの教職には、ドラゴンハンターでの実力が認められたら二十歳前後から就くことが可能だ。
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