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一班の学生は、全員が壁にベッタリと張りつき、咆哮をあげて突進してくる竜から距離を取った。
ワラワラと壁にそって逃げ惑う姿は、傍から見るとかなり情けない。
『誰でもいいから助けてくれ!』そんな思いが見え隠れする幼い視線を、逃げ惑う四人の中の一人が出入り口の上に向けて飛ばした。
そこには、観客席がある。
観客席から鋭い視線で高見の見物をしているのは、戦闘学部の授業を受け持っている現役バリバリハンター教官だ。
その隣には、背筋をピンと伸ばして立っている若い女教官補佐の姿もある。
「貴様ら、逃げてばかりじゃ評価は与えないぞ!」
視線に気づいた教官は、学生の甘い期待を叩き折り、代わりに厳しい言葉を投げかけた。
「残り時間、二分一秒です。」
教官の隣で大人しく控えていた女教官補佐が、腕時計を見て淡々と告げた。
闘技室の高い壁に張りついたまま、何もできずにいる学生達は、女教官補佐の言葉を聞いて焦り始めた。
カルデラでの成績が悪いと、都会支部での所属が難しくなる。
ドラゴンハンターギルドを支えている支部長に言わせてもらえば、実力のないハンターに所属されると、足手まといで迷惑だからだ。
前線の極東支部でなくても都会の支部に所属したければ、好成績を納めるしかない。
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