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「次、二班。」 「行くか。」 黒髪をはためかせ、カインが闘技室に入場した。 檻を挟んで向こう側にいる、既に怒りで口から湯気を吹いている岩竜を見るなり、カインの口が歪む。 「岩竜か………♪」 「「「うわっ……」」」 カインとは対照的に、続いておそるおそる入ってきたその他の二班の学生達は、竜を見てテンションを大幅に下げていた。 あんなゴツイのに体当たりされたら、骨が折れるどころではすまないだろう。 あれは自分達の手に負える相手ではない。 カインに任せた方がよさそうだ。 と三人は悟った。 「ち、俺達じゃダメだな。カイン、頼む。」 状況を早くは判断したメガネ男子が、そっとカインに耳打ちした。 再び檻が開かれ、入口付近で密集していた二班パーティーへと竜が突撃した。 力強い鉤爪が地面を削り、土煙を巻き上げる。 カインを除いた三人の学生は、竜の迫力に圧されるように散開する。 三人は(特にメガネ男子)は、消極的に見られて評価を下げられないよう反撃の機会を窺うフリをしつつ、竜から必要以上に距離を取った。 「こい!」 カインは一人センターに残り、クレイモアを振りかぶる。 剣術を習うまでもなく、誰にでもできる平凡なひと振り。
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