前線の苦悩

4/19
前へ
/21ページ
次へ
まぁ、初陣と気合を入れて言ったものの今回のミッションはそう難しくもなかった。 探索は危険を犯してまでやるような事でも無かったし、俺たちは所詮新米だ。モンスターと戦闘になったとしても他のメンバーに囲まれる形で守ってもらい、探索をする際も他のパーティに挟まれる形になっていたので危険も少なかった。 結局、足手まといになっただけのような気もするが、こういった事はまずは慣れる事が大事。仕事なども最初から新人に大役を任せることはしない。新人は足手まといになるくらいがちょうどいいと隊長も言っているので、ここはお言葉に甘える事にした。 二時間程が経過し、ちょうど夕飯時になった辺りで今回の探索は終了した。 解散前に隊長が一言何か言った後に各々が転送アイテムで拠点に戻り始める。 「シュウくん、お疲れ様・・・・って、そんなに疲れてないかな?」 解散後にエルスが近寄ってくる。彼女の方も俺と同様疲れは全く感じていないらしい。 マキナと共に前線まで最速で旅をしていたのとは比べ物にならないほど楽なのは言うまでもないので疲れるはずが無いのだが。 例えるなら、甲子園を九回バリバリ投げていた投手がプロに入り五回で降板するようなものか? いや、あれはまたプロの雰囲気とかで五回でも疲れるのかもしれないな。 そうなったら、どう例えればいいだろうか。 受験のために一日十時間ぐらい勉強していた高校生が試験の終わりと共に勉強時間が極端に減った・・・・とか? ―――何かこれも違う気がする。 まぁ、いいや。とりあえず俺たちが全く疲れていない事は伝わっただろう。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加