逃走

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 なんにせよ、いつ疲れで倒れても不思議の無い後ろの二人が、なんとか走り続けていられるのも、麻友の事を信頼しているからなのだろう。  しかし、それも限界に近づいている。一時は留めている多数のマガジンポーチごと、バッグパックや、会長に渡されて肩に掛けているGTARタボール…  イスラエル軍が採用している自動小銃らしい。これが本物なら良いのにと麻友は思うがそんな訳は無い。  ――いっその事、全て捨てて身軽になるべきか――  そう悩みもしたが、牽制するくらいの役には立つかも、と思い直して右腕に抱え込むようにして走っている。  問題は休学からの復帰後、高校を卒業する前まで陸上部に所属していて、 大学に入ってからは、サバ研の前身の秘境探索研究会で、フィールドワークに明け暮れていた麻友はともかく、後ろを走る二人はもう限界だと言う事。
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