GrIeF

3/3
前へ
/25ページ
次へ
 彼女はポソッと、囁くような声で呟く。 「死んだほうが、いいんだ―――」  言葉にはするものも、死ぬ方法が定まらないのか、彼女はなおも俯き続けた。  彼女が再度泣きだすとき、私は歩きだしていた。  生き殺しもいいところだ。  文こそは彼女の思考と同じなのだろうが、恐らく私は彼女ほど生死に拘りはなく、  数秒後には彼女のことすら忘れている始末だった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加