真っ白なセカイ

AnGeR

　ふと目の前に、少女が現れた。

　目の前の少女の輪郭、目、鼻、口、耳、どのパーツをとっても、“それ”は“私”と同一であった。

　その私と同一人物である可能性が高い“それ”を彼女、と形容するのはおかしい気もするが、

　かといって目の前の“それ”を事も無げに受け容れるのもそれはそれでおかしいので、

　私は“それ”を彼女、と称することにした。