泣き虫

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泣き虫

幼稚園のバスが迎えに来ると、見送りに来た母と離れたくないと、大声で泣きわめき 先生方に毎朝 迷惑をかけていた僕は、甘えん坊将軍だったそうです。 トラック運転手の父親と、看護婦の母親の間に生まれた僕は、色白で 近所の子供達に比べれば 体が小さく、坊ちゃん刈りのヘアースタイルのわりには、よく女の子に間違えられる男の子でした。 当時の住まいの近くには、叔父さん一家が住んでいて 歳の離れた従姉妹が遊んでくれたり、まだご近所付き合いが盛んな時代だったので、年齢に関係なく 遊び相手をしてくれるお兄ちゃん お姉ちゃん達がいて、甘えん坊ライフを満喫していた僕に転機が訪れたのは、5歳になる頃でした。 父親の仕事の関係で 熊本県へ 転勤する事になり、幼心に「不安」というモノを覚えたのもこの頃です。
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