第一話

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やっと見つけた雨宿り場所。 ベンチがずらーと沢山 並んでいるこの学校の裏庭。 見つけたのはいいけど 昇降口とは真反対だ。 ここからだと制服をさらに 濡らして入学式にでることに なるかもしれない。 高校生活初日からこんなに ついてないんなんて…。 もしかしたら、私の高校生活は うまくいかないのかもしれない。 空を見上げる。 雨がやむことは無さそうだ。 そんなときだった。 がたっ 「!」 音がした方をみる。 「あ…。」 5つ先のベンチに人がいた。 今まで全然気がつかなかった。  男の人だ。何年生かな。 気になって2つだけベンチを つめてみる。 …寝ているみたいだ。 この時間にいるってことは やっぱり新入生かな? …まあ、いっか。 人と関わるのは苦手だ。 というより話すのが苦手。 人とのコミュニケーション はとても難しい。 少しでも言葉を間違えると 命取りになる。 ちゃんと私のことがわかる 人がひとりいればいいの。 一人だけでいい。 贅沢はいわない。 そう。 だからこの学校にきたの。 心の底から信頼できる 友達がいるこの学校に。
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