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「ちょ……っ、何すんのよ」
「……初恋だ」
僕は夕陽に負けないくらいの赤い顔で、勇気を振り絞った。
「花言葉は『初恋』。
お前は僕の初恋の相手で……今も好きな、人だ」
そう、僕は幼い頃からずっと……一緒の時間を過ごしてきたこよみが大好きだった。
来年の春――それから離れ離れになる前に、どうしてもこの想いだけは伝えておきたかった。
金木犀は僕の大好きな花だ。
その甘い香りと花言葉が僕の胸を締め付けて、より強い想いを萌芽させた。
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