木の葉

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幼い頃に憧れた 遠い母星のホログラフィック 映された色の葉 ひらひらと 無邪気に追いかけて 真っ赤に染まる死細胞 色づくむなしさが今ならわかる 凍った卵に血を託し 短い命を燃やすだけ いったいあの葉と何が違う? 見上げれば白天井 隔離壁の向こう側には 重さも 空気も 光すらもなく 甘い恍惚は罪の味 封じられた魂の叫びが 絶えず頭を締めつける あなただけは この身に宿した あなただけは 決して回収させたりしない 体を満たす この強いエネルギーで 必ず守ってみせる
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