何も言わずに

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夜通し祈り 迎えた朝 白む照明の中 確かに見えた もう一度だけ聞かせて欲しい 愛しい愛しい あなたの声 探し求めたその姿 伸ばした手は 空(くう)をきり それでもしかと 抱きしめた まるで感触のない体を いつまでも いつまでも そっと目を開ければ すでにあなたの姿はなく 冷たい水音がさらさらと 静かに流れていくばかり まるで真空のように さらさらと 流れていくばかり .
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