03:争いはすぐそばに

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 ところが。 佐和くんがじっと見つめていたのは、エサ…、いや違う、お弁当を食べてる私の顔なんかじゃなくて…、 「ふぅん、葛城。お前、ケータイでゲームしてんだな」 「…え!?」  慌てて、机の上に置いたハズのケータイを目で探す。  ない!!  私のケータイが、ない!! 私は恐る恐る、顔を上げて佐和くんのほうを見た。 佐和くんが手に持っているソレ!ソレって紛れも無く私のケータイぢゃまいか!? もしかしてゲーム画面、見られたかな…!?いやむしろ、超ガン見しちゃってるし!!  ちょっと佐和くん!んもうっ!なに勝手に人のケータイ見てるですかッ!?佐和くんのそういうとこ、好き!! 「なぁ葛城、これってどんなゲーム?ロープレ?」 「え!?あぁ、うん…、まあ、はい…、そんな…カンジ…です…」  あああ。 いっつもいっつも休憩中にケータイでゲームしてたのが佐和くんにバレたぁ…。  どー思われるかな? でも、いつもケータイでゲームしてる女子なんて、やっぱあんまりイイ印象持たれないよなぁ…。 「葛城、このゲームって、無料か?」 「う、うん、基本プレイは無料で、アイテムとかガチャとかに課金できるカンジだね…」 「へぇ、俺もやろっかな」  ……え?
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