03:争いはすぐそばに

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「いや、ゴメン!佐和くんにはこのゲーム、きっと向いてないと思うんだ…!」  私は断腸の思いでそう言った。  我慢しろ、ひめこ!  佐和くんのことが好きなら、一緒にゲームを楽しむのは我慢しろ…! 「えー、そんなもん、やってみなきゃわかんねぇじゃん」 「いや、わかるの!わかるのよ!女のカンってヤツで!」  私はよくわからない言い訳を続ける。 「大丈夫だよ。つまんなかったらソッコーでやめっからさ。どうせ無料だし」  違うの、佐和くん! そういう問題じゃないの! あの、なんか…、変なドラッグで気持ちよくなっちゃうのよ! 男子の身体のことはよくわかんないけど…、私が感じたあの快感を佐和くんも感じたら…、 アレがナニしちゃうかもしんないし…! 「なぁ、葛城、なんでダメなんだよ?」 「佐和くんの、な…、ナニが、アレしちゃうからッ!!」 「?」  不思議そうに首を傾げる佐和くんから逃げるが如く、私は食べかけのお弁当もそのままに真っ赤な顔で教室から飛び出した。
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