第7話

03:争いはすぐそばに

　マスター、ゆっきー姉さんいないとキツいねー。大丈夫かな？
「そうだね。かなりキツいよ。まぁ、こればっかりは仕方ないけどさ」
　期待通り、黒川マスターからはすぐに返事があった。
サイファさんとのやり取りの癖でついついコメントを削除してしまいそうになり、慌てて思いとどまる。
　ねぇ、マスターはどう思う？私たち、優勝狙えるかな？
「いや、さすがに優勝は無理だろうね…。でも、せめて本戦までは勝ち残りたいね。報酬の[SSR]確定ガチャチケットはやっぱり魅力だよ」
　そーだね。
私もそれは絶対欲しい！
斉天大聖ちゃんを引退させるのは心苦しいけど、戦力的に考えたらやっぱり[SSR]のアバターは欲しいもん。
　けど、マスターもさすがに優勝までは考えてないんだね。サイファさんとの間に、何となく温度差を感じちゃう…。
　ちょっと、思い切ったこと、提案してみようか。
サイファさんのために、というワケでもなかったけど…、この温度差の板挟みにあうのは、正直、居心地が悪かったから。