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「そうか。いや、決して不可能な話じゃないと思うんだ。このゲームはステの高さだけで勝敗が決する訳じゃないからね。メンバーのログイン率、そして臨機応変な戦略が何より必要だ」
そうだね。
それはすごくよくわかる。
今まで数えきれないぐらい、明らかに自分たちより格上の相手を戦略とチームワークを武器にして打ち破ってきたんだから、私たちは。
「じつはね、ひめこちゃん。僕もそれなりに優勝は狙ってて…。でも誰もそこまでは考えてないだろうし、強要したくもなかったから敢えて言わなかったんだけどね」
そうなんだ!じゃあマスター、私も協力する!
意外なマスターの答えに、私は顔をほころばせた。
他のメンバーはともかく、マスターが少しでもそう考えてくれているのはかなり心強い!
「それでね、ひめこちゃん。ひとり、どうしてもチームに呼び戻したいヤツがいて…。確実に戦力になるんだが、さっき口説きにいったら呆気なく拒否されちゃってね」
ん?
呼び戻したいヤツ?
それってもしかして…、すぅ太さんのこと!?
「いや、すぅ太じゃないよ」
あら、残念…。
でも、すぅ太さんじゃないとしたら、誰?
「我々『ぬこのしっぽ団』の創始者さ。自分でチームを立ち上げたクセに、僕に団長を無理矢理引き継がせて勝手に脱退してったロクデナシだよ」
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