03:争いはすぐそばに

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17:05  だからって、ねぇ。マスター。 『僕の代わりに、ソイツ口説いてきてよ』なんて言われてもさぁ。 マスターが断られてるのに、見ず知らずの私がのこのこと出ていってオーケーもらえるとは思えないんだけど…。  でもまぁ、引き受けちゃったもんはしょーがない。 スカウトはあんまり得意じゃないんだけど、やってみるしかないか。  とりあえず、まずは偵察ね。 マスターから教えてもらったユーザー名で検索して、その人のマイページまではたどり着いた。 ちょうど家に着いた私は自転車を庭に停め、カゴに入ったカバンを引ったくるように取り、玄関のドアを開ける。 台所の方から「お帰りー」と聞こえてくる母さんの声は軽く無視し、私は自室へと引き篭った。  改めて、ケータイの画面を見る。そこには、黒川マスターがチームに誘いたがっているその“ロクデナシ”とやらのマイページが表示されていた。 【ぢっぽ (Lv231)】  うあぉ、レベル高ッ!! マスターより全然高いぢゃまいか!! なるほどね。こりゃあマスターが誘いたがるワケだ…。
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