03:争いはすぐそばに

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 その時だった。 「おい葛城、今日はひとりメシか?」  はっ!?こ、この泣く子も黙る、いや、初夏の爽やかな風を思わせるイケメンボイスはまさか…!? 「佐和くん!」 「まだメシ終わんねーの?食うの手伝ってやろうか?」  やだぁ佐和くんったら、ナイスバーバリアンジョーク!!  佐和くんは机の横に立ち、赤面する私の気持ちを知ってか知らずか、日焼けしたステキな笑顔を頭上から私に降り注がせていた。  てか、てかてか、 なんだか最近、佐和くんの方から話しかけてくれる回数が増えてきたよーな気がしない…?  もっ、もしかして佐和くん、私に、きっ…、木があるのかな…!?やだ、興奮して誤字っちゃった!!  いや、でも。 えーっと、佐和くん? ご飯食べてるトコ、そんなにじっと見つめられたら恥ずかしいぢゃまいか…! 私、動物園のサルじゃないんだからさ。 せっかくのタコさんウインナーの味も、今は恥ずかしさと気まずさで全然わかんない…!
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