実戦

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ヘリはわたし達を建物の屋上に降ろすと安全のために上がっていった……。速水巡査長はまったく動揺してない。あたしは足が震えてる…。「撃鉄は起こしとけ」不意に言われてあわてて、銃を落としてしまう。「残るか?顔、真っ青だぞ」「いえ、行きます」「じゃあ、しゃきっとしろ!そんなんじゃ死ぬぞ。死に来たんじゃないんだろ?」「はい!」不思議な瞳…見つめられると勇気がわき出る。「いくぞ」非常階段を降り地上に出る。道路の様子をうかがう…「バカ!身を乗り出し過ぎだ!」服を引っ張られると同時に破裂音とともに壁が崩れる!「…………!」あぶなかった……。続けて撃って来る!合間を見計らい、速水巡査長が撃ち返す。わたしも続けて撃つ!弾切れ!シリンダを開いて、薬莢を捨てる。訓練通りに…訓練通りに…弾を込める。指が震えてる…入らない!「焦んな!深呼吸しろ!」弾倉を交換しながら速水巡査長が叫ぶ。深呼吸……深呼吸…ズダダダダ!!! ダァン!ダァンダァン!… できないよ~!落ち着いて…落ち着いて…落ち着いて…弾込めよし!「撃ち返せ!」「はいい!」構えて撃つ。軽い銃声が響く!やっぱり当たんない!ズドドド!壁が吹っ飛ぶ!「きゃあああ!」「撃ったらとっとと隠れろ!」はあ、はあ。心臓が張り裂けそう。汗が出る。呼吸が激しくなる。「予備の弾は?」「もう…ないです…」「だよな。俺もこれが最後だ」弾倉をまた交換しながら速水巡査長が答える。「俺が1人殺ってあと3人だ」「どうしましょう!?」「殺るさ…敵を」その時わたしは見てしまった…彼の瞳が銀色に輝いていくのを…!
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