イントロダクション

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都内。 二人で肩を並べて歩く。「井上巡査長」「あの、わたしを呼ぶ時は巡査長いらないです。井上って気軽に呼んで下さい♪」「わかった。んじゃ俺も速水でいい。階級は同じだしな」「はい♪見えて来ました。あれですよ。」視線の先にはお洒落な創作料理屋。「わたしの行きつけですよぉ。お料理もお酒もいけますよ!」店に入ると気さくな雰囲気で酒も料理も進む進む、かなりまわった状態になった。「はやみさんわ~、なんでけいさつかんになったんですか~?」酔ってるな…コイツ。顔真っ赤だ。服がはだけてきてやがる…危険な兆候だ。「わたしは小さい頃におまわりさんにですね、迷子になってたトコロを助けられてそれで憧れたんです!」模範的な回答だ。これなら面接はバッチリだ。「あっ!模範的だと思ったでしょ~?でもホントなんですからっ!勉強して、東大受かって。強くなりたくて、ジークンドー習って。」ジークンドーかー俺もやったな。「まあ…独学なんでクセはありますケド…」 俺も独学だ…本読んだだけ。「はやみさんはぁ?」今度は子犬みたいな目だ。目だけだったら何にでもなるな。コイツ。「…………俺には人生を選んでる時間も機会もなかったな」「どぁゆう事です?」「さぁ?気付いてたら今ここで井上と飲んでる。(気付いてたらヒトノコロシカタを覚えていた、 気付いてたらヒトゴロシニナッテタ、キヅイテタラジブンノスムセカイガカワッテタ)気付いてたら警官になってた、の繰り返しだったよ」「…………………」沈黙が返って来る。「…?」「すぅー…すぅー」寝てやがる。「マスター、勘定」
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