刑事 警察 警視総監

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あれから一か月たった。日本の状況は何ら好転していない。俺たち警察は給料以上の仕事を毎日こなすハメになった。公官庁の警備、国民の疑心暗鬼による犯罪の増加。24時間体制のパトロール(これは元からか)、あとは速攻で職務質問。(夜、外出してるヤツがいれば実施。)挙げればキリがない。まあ、あまり仕事の多さに上も下も関係無くなってきてるのと銃の使用許可が降りてるのは歓迎できるかもな。「おい!速水サボってんじゃねぇ!ちゃんと交通整理しろ!」警笛を鳴らしながら遠藤が言う。「なんで刑事課の俺らが交通整理してんだよ?」「人手が足りないからだろ。」遠藤がすかさず言い返す。「交通整理なんて新米の時以来で忘れたぞ俺は。適当に60秒間隔でやるぞ。60秒が一番俺はイライラしないからな!俺基準!!」さすがに間隔が速かった様だ。3分経たず俺が担当の交差点は事故多発地帯と化した。クラクションと怒号が響き渡る。俺が逆ギレする前に遠藤が言う「バカ!何やってんだバカ!!もういいよ!バカ!!!俺がやっとくから帰れ!バカ!!!!」遠藤は泣きそうだ。奴はここからが強い。だが残して帰るわけにもいかないしバカを4回言われて黙るわけにもいかない。(次は70秒でやれば…うまくいくか…?)なんて事を考えていると携帯が鳴った。「はい、速水巡査長。」「鳴海です。現在地を教えてください。」「おっ!鳴海ちゃん!デートのお誘いかい?」「はい。私からではないですが…。警視総監がぜひ警視庁で一緒にお茶しないかと。」「パス。」「速水巡査長、言っときますがあなたに拒否権はありません。とっとと来てください。」ブツ!ツー、ツー…。ちなみに鳴海ちゃんは今年入った新人である…。俺の立場は一体?関心事が違うと思う人がいるかもしれないが俺は警視総監に頻繁に会う。会ってみればみなさんの疑問も解けるし、俺の仕事も済む。俺は白いジャケットを翻し、パトカーに乗ると交通を見事回復させた遠藤に敬礼し本庁に向かった。
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