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「…夢霧?夢霧ってば、聞いてる?」
「…!あぁ、ごめん。聞いてなかった。」
「珍しいね、夢霧が話を聞いてない…なんて。」
――そうだろうか。
まぁ、私も最近になって、進路をどうするかという事を考えるようになった。
…考えるようになっただけで、決まってはいないが。
申し遅れた。
私の名前は赤下夢霧(あかしたむむ)。高校三年生で、部活に入っている。
今は十二月で、大学に進学するか、それとも就職するか決めないといけない時期だ。他の奴らは、○○大学に行くとか、××に就職するとかいろいろ考えているようだ。
私が今、考えている進路は漬物屋さんに就職することだが、残念ながらこの村にそんな店はない。
この村――小西村は、住人の一人一人がそれぞれの職に就き、村を養っている村だ。当然、私の親も何かの職に就いている。
今さっき、私と話していたのは、灰木花音(はいぎかのん)。
同じクラス、同じクラブの親友。
可愛くておっとりしているので、当然モテる。だが、私が不審な輩を近づかせていないので、彼氏はいない。
話を戻そう。
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