第一章

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そして、話し声が聞こえ、少年A――松田草太(まつだそうた)と、少年B――栗山純一郎(くりやまじゅんいちろう)が入ってきた。 すぐに花音が二人に駆け寄って行き、パーティーについて話しはじめた。 この間に、松田草太と栗山純一郎の説明をしておこう。 まず、松田草太。男にしては長めの髪で、肩のところくらいまである。頭の良さは学年一と言われるくらい、いい。ただ本人は、頭がいいと言われるのをすごく嫌っている。 次に、栗山純一郎。つり目で、ぼさぼさの髪。「ぼさぼさじゃない」と睨まれたことがあるが、あれはどう見ても、ぼさぼさだ。頭の良さは、中の上くらいで、良くもなく悪くもない。つまり、いたって普通の男子高校生だ。 私は、この二人をまっつー、マロンテンと呼んでいる。 松田から『まっつー』、栗山を別々に、英語で直して『マロン』と『マウンテン』で『マロンテン』だ。 すばらしいニックネームと思っているが、二人(特にマロンテン)は、とてつもなく嫌がっている。 何で嫌なのか聞くと、 「…恥ずかしい。」 と顔を赤く染めながら言ったため、私は一度ニックネームを考え直したことがある。しかし考え直したニックネームを、拒絶したので今のニックネームが定着した。
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