第一章

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ふと、二人のほうに目をやると、丁度花音が二人に「どうかな?」と聞いていた。 二人が、何と言ったか分からなかったが、花音が満面の笑みだったので、多分二人とも承諾したんだろう。 それにしても、花音の家は大金持ちだったのか。よし、今度花音に何かおごってもらおう。 そんな私の黒い心を読み取ったのか、花音がこっちにきて、 「夢霧ー、あのね…。」 と言った。 が、その後なかなか話そうとしない。 「何か用か?」 と聞くと、少しオドオドしながらこういった。 「うん…。パーティーでは、正装で行かないといけないの。だから、スカートはいた事無い夢霧も、ドレス着なきゃいけなくて…。夢霧、ドレスどうする?」 「……。」 もしかしたら、さっき花音の話を流していたのは、私の本能が「こいつの話は聞くな!お前の秘密をばらされるぞ!」と言って、無意識に聞いていなかったのかもしれない。 私が沈黙していると、横でマロンテンが必死に、笑うのを耐えていた。机に向かって勉強を始めていたまっつーも、手を止めてこちらを凝視している。 「…ぷっ!夢霧お前、スカートはいたこと無いのか?」 笑いを耐えきれなかったマロンテンが、吹きだしながら聞いてくる。 「………。」 さ…最悪だ。花音のせいで、極秘情報(トップシークレット)が、よりにもよってマロンテンとまっつーに、ばれてしまった。 「おい…、さすがに一回ぐらいは…。」 我に返ったまっつーが、聞いてくるが、返せる言葉が無い。 「…。」 「…。」 「…。」 「…。」 四人の間に変な風が吹く。
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