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ふと、二人のほうに目をやると、丁度花音が二人に「どうかな?」と聞いていた。
二人が、何と言ったか分からなかったが、花音が満面の笑みだったので、多分二人とも承諾したんだろう。
それにしても、花音の家は大金持ちだったのか。よし、今度花音に何かおごってもらおう。
そんな私の黒い心を読み取ったのか、花音がこっちにきて、
「夢霧ー、あのね…。」
と言った。
が、その後なかなか話そうとしない。
「何か用か?」
と聞くと、少しオドオドしながらこういった。
「うん…。パーティーでは、正装で行かないといけないの。だから、スカートはいた事無い夢霧も、ドレス着なきゃいけなくて…。夢霧、ドレスどうする?」
「……。」
もしかしたら、さっき花音の話を流していたのは、私の本能が「こいつの話は聞くな!お前の秘密をばらされるぞ!」と言って、無意識に聞いていなかったのかもしれない。
私が沈黙していると、横でマロンテンが必死に、笑うのを耐えていた。机に向かって勉強を始めていたまっつーも、手を止めてこちらを凝視している。
「…ぷっ!夢霧お前、スカートはいたこと無いのか?」
笑いを耐えきれなかったマロンテンが、吹きだしながら聞いてくる。
「………。」
さ…最悪だ。花音のせいで、極秘情報(トップシークレット)が、よりにもよってマロンテンとまっつーに、ばれてしまった。
「おい…、さすがに一回ぐらいは…。」
我に返ったまっつーが、聞いてくるが、返せる言葉が無い。
「…。」
「…。」
「…。」
「…。」
四人の間に変な風が吹く。
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