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そのときの私の顔は、多分とてつもない顔だっただろう。
まっつーは固まり、マロンテンは吹きだし、花音はやっぱりという顔をする。
「……。」
「……ぷっ。」
「……。」
「……。」
「か…花音の馬鹿野郎ー!。」
許せない!私の極秘情報(トップシークレット)をばらすし、このかっこいいズボンを馬鹿にするし、スカートをめくって、まっつーとマロンテンに見せるし…。
花音は、そんな私を見て慌てたようにこう言った。
「ごめん、夢霧…。スカートを男の子の前で、めくっちゃ駄目だよね…。」
「………。」
花音、お前ってやつは…。
謝ってほしいところが違う!このかっこいいズボンを馬鹿にしたことと、私の極秘情報(トップシークレット)をばらした事について謝ってくれ。
「本当に、ごめんなさい。」
あぁ、もう…。花音はいつもそうだった。ちょっと気が抜けていると思ったら、変なところで落ち着いていて…。
怒る気が失せてしまった。
「…花音は許す、けど。」
そう言って、床でお腹を抱えて転げまわっている奴を、キッと睨みつけ、
「マロンテンは許さない!」
と、犯人(マロンテン)を指差して、決め顔を作る名探偵(私)。
「…ぷ。ははは!いやだって…何その……ふははは!ズ、ズボン!」
お腹を抱えて笑っているマロンテンを見たとき、私の中の何かが切れた。
「どう意味だ、マロンテン!これのどこがおかしいんだ!」
「おかしいだろ、そんな…ぶははは!ズボン!」
「どこがおかしいんだ!ていうか、笑うな!」
「まず、色の組み合わせがおかしい!」
このズボン――『クエスチョンズボン』(名付け親は私)は、小西村唯一の服屋さん『暑けりゃ脱げ!寒けりゃ着ろ!』略して、『暑寒脱着』で作ってくれたもので、私が言ったデザイン通りの服を作ってくれる。
このズボンは、ズボンの左側が緑色、右側は黒っぽいピンクで分けられている。ポケットの色は紫という、とてもかっこいいズボンだ。
このズボンで、私が最も気に入っているところは、ズボンの後ろにあるクエスチョンマークだ。後ろに大きく書かれてあって、とてもかっこいい。
かっこいいのに…。
「おかしくない!全部かっこいいだろ!」
「全部おかしい!」
こんな事まで言ってくるなんて…。ひどい、ひどすぎる!
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