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「このズボンの悪口を言うなー!」
と、マロンテンに掴みかかろうとして、マロンテンの傍まで行く――が、固まっているまっつーにぶつかり、派手に転ぶ。
「…はっ!俺はいったい何を…。」
と意識を取り戻したまっつーが、変なことを言い始めた。
ちなみに、花音は私とマロンテンが口喧嘩している時から、ずっとオロオロしている。
「……。」
「…おい、夢霧。大丈夫…か…。」
マロンテンが手を差し出してくれたが、私の腰あたりを見て固まった。
「…?どうした、マロンテン?」
何か変な虫でも付いているのかと思い、後ろを見ようとするが、よく分からない。
しかたないので、まっつーに状況説明をしている花音に、
「なぁ、花音。私に何か変なもの付いてるか?」
と聞くと、花音とまっつーがこちらを向き――そしてまっつーは固まり、花音が顔を赤くした。
「…えっと、夢霧?」
「何だ?何が付いてた?」
「…いや、何も付いてはないんだけど…。スカートが、めくれてます…。」
私の人生を告げるベルが鳴…。
「って、え?いや、ズボンはいてるよな?」
「…そ、そのズボンが破れてます…。」
ベルが鳴った。
「気に入ってたのにー!」
という私の叫びが、静かに教室の中に消えた。
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