第一章

8/8
前へ
/27ページ
次へ
「このズボンの悪口を言うなー!」 と、マロンテンに掴みかかろうとして、マロンテンの傍まで行く――が、固まっているまっつーにぶつかり、派手に転ぶ。 「…はっ!俺はいったい何を…。」 と意識を取り戻したまっつーが、変なことを言い始めた。 ちなみに、花音は私とマロンテンが口喧嘩している時から、ずっとオロオロしている。 「……。」 「…おい、夢霧。大丈夫…か…。」 マロンテンが手を差し出してくれたが、私の腰あたりを見て固まった。 「…?どうした、マロンテン?」 何か変な虫でも付いているのかと思い、後ろを見ようとするが、よく分からない。 しかたないので、まっつーに状況説明をしている花音に、 「なぁ、花音。私に何か変なもの付いてるか?」 と聞くと、花音とまっつーがこちらを向き――そしてまっつーは固まり、花音が顔を赤くした。 「…えっと、夢霧?」 「何だ?何が付いてた?」 「…いや、何も付いてはないんだけど…。スカートが、めくれてます…。」 私の人生を告げるベルが鳴…。 「って、え?いや、ズボンはいてるよな?」 「…そ、そのズボンが破れてます…。」 ベルが鳴った。 「気に入ってたのにー!」 という私の叫びが、静かに教室の中に消えた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加