一章 干支武術の師範たち

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~リディアside~ 鳥道場の前 「いらっしゃい。あなたが新しい修行生ね。」 リディア「え、えーと…。は、はい…。」 私は道場の前で立っていた 女性に話しかけられている 「まだ若いみたいだけど、高校生かしら?」 女性が私に聞いてきた リディア「は、はい。日本語は得意ですけど、一応留学生です。」 私はそう答えた 「あら!そうなの!?」 女性が驚く リディア「顔は日本人みたいだって言われますよ。祖母が日本人なんです。」 私はそう説明した 「高校生ねぇ…。流星と凪もそれくらいの歳になったのよねぇ…。」 女性は寂しげな顔で つぶやいた 流星と凪…? もしかして…! リディア「あなたは流星たちのお母さんですか?」 私は女性に聞いた 「そうよ。私は山井美咲。鳥道場の師範で鳥拳の使い手。よろしくね。」 美咲さんは そう言うと微笑んだ その顔は子供を産んだとは 思えないくらい若々しく 綺麗な顔立ちだ リディア「と、とても子供を産んだとは思えませんよ…!」 私は美咲さんに言った 美咲「あら。上手な子ねぇ。」 美咲さんは イタズラっぽく笑った 美咲「でも…、もう流星と凪には会うわけにはいかないわ…。」 美咲さんは暗い表情で言った リディア「なんでですか…?」 聞いては いけないような ことだったが 私は聞いてみる 美咲「私は、あの子たちに親らしいことをしたことが無いから…。あの子たちを捨てて道場を選んだ人間だから…。会う資格なんて無いのよ…。」 そして美咲さんは その綺麗な瞳から 涙を流した リディア「美咲さん…。」 美咲「さ…、暗い話は終わりよ。修行しようか!」 リディア「は、はい…。」 私の修行が始まった
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