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モンブランに設置された軍本部内にて男達が集まっていた。
彼らは軍団をまとめる元帥達だ。それらの正面に総司令官である皇帝シュゼットと死神タナトス、そしてもう1人の男が座っている。
参謀長・アルミュール。
皇帝シュゼットが信頼を置く優秀な部下だ。
「さて、どうする?」
アルミュール進行の下、元帥達は作戦会議を行っていた。
都市モンブランにエクレール軍の主力を集結させていたために他が手薄になっていた。そこを突いてザッハトルテがハスリー帝国と共に侵略の準備を始めたとの知らせが入ったのだ。
「一部をザッハトルテへ向かわせるべきだ」
微笑したまま答えたのは第1軍団長ラディカル。
普段から笑顔を絶やさない男である。そのため彼と出会った者のほとんどが「優しそうな人」といった印象を持つ。実際、仲間想いで穏やかな性格で、優しいという言葉はピッタリなのだが。
敵にとっては違う。
彼は笑顔のまま、平然と人を傷つける。
笑みを浮かべているはずなのに、そこには全く感情がないように思える。
その事から彼は敵から「笑顔の殺戮者」と呼ばれている。
「うむ、ラディカル君の言う通りだ」
そんな彼に同意するのは第2軍団長ブクリエ。
シュゼットに長年仕える白髪の男で、これまでに数々の功績を上げラディカル同様敵から恐れられる存在だ。彼は「鋼鉄の守護者」と呼ばれていた。
「…ラディカル殿と同意見だ」
そう答えたのは第3軍団長ノワール。
黒髪黒肌の男で決して口数の多い男ではないのだが、それは最も適切な表現を選んでいるからであり、そのため一言一言には重みがあった。彼は「帝国の調整者」と呼ばれている。
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