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「ねぇ、おじいさん。こんなのはどう?」
ネコフスキー州ミケ県のとある豪邸にて。
優夏は執事人形に思いついた事を話した。
彼女はネコフスキー州知事の娘だ。3年とちょっと前に閃き屋に所属していた事があり、その時に起こっていた事件を引きずっていたせいで最近まで精神的にまいっちゃったりしていたのだが、現在は見事な復活を遂げている。
彼女は今、豪邸の一室にて作戦会議を開いていた。
「ほっほっほ、面白い事を考えおるのぉ」
そう答えたのは執事人形だ。ただし、ただの執事人形ではない。彼の中には魔法国の正式な神によって蘇ったおじいさんの魂が宿っている。3ヶ月前に再会し現在は優夏の執事兼相談役として傍にいてもらっている。
「でしょ?名付けて卑怯者捕獲大作戦!!」
「ほっほっほ!!ネーミングセンスもバッチリじゃのぉ!」
「でしょでしょ?」
「うむうむ。ほっほっほ!!」
何だかノリノリである。
優夏とおじいさんがこのまま突っ走りそうな予感がして、部屋にいたもう一人の青年が慌てて止めた。
「ゆ、優夏様!でもそれって国王がものすごく危険なんじゃ…」
人間に化けたキツネで優夏の護衛をするクロードだ。
「何とかなるでしょ!強い人たくさんいるし!」
「うむ。きっとあやつらも協力してくれるだろうしのぉ」
「そ、そうですか…」
優夏の立てた卑怯者捕獲大作戦!
それは、もふうさ国王を暗殺しようとした犯人を捕まえる作戦だ。
あれから犯人についての情報はほとんど得られていない。
ならばおびき寄せようというのが優夏の立てた作戦だった。
「よーし!ココニャさんに連絡しよーっと!」
スイーツを添えて優夏はおすそ分けでメッセージを送った。
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